Yasushi’s diary in Japan ー SDGs達成に向けた日々

開発援助の現場から離れましたが、企業との協力によるSDGs達成を目指す日々を綴ります。

赴任挨拶、居住地訪問

 

f:id:yasushi-wonder:20171014173202j:plain

10/12(木) 「赴任挨拶、居住地訪問

8:30AM:赴任先はUNHCRのImplementation Partner=IPであるNSAMIZI-Technical Institute of Social Development=”NSAMIZI-TIS”のプロジェクトオフィスに到着。ManagerのMr.Peterへ挨拶、配属部門Livelihood Projectの確認あり。Project担当者のMr. Obboから事業全体の紹介を受け、筆者の自己紹介に移る。その後ManagerよりLivelihood Projectの説明あり。課題の一つは農作物収穫後の販路拡大。これは難民コミュニティ内だけでなく域外とのビジネスを指すと思われる。その突破口に繋がるアイディアが問われるという。ビジネス展開に関する背景知識を問われたので、化成品メーカーにて市場調査と営業経験ありと答える。その後住居を確認。オフィスの敷地内であり便利だが、家具は備えてないので買い足しが必要である。

-12:00PM:執務中のプロジェクトメンバーへの挨拶を行った後、しばらくの自習時間を頂く。UNHCRとの合意に基づく2017年度事業概要を読む。正式事業名はMulti-Sectoral Response in Community Services, Environment, Energy and Livelihood Support to Refugees(拙訳:難民へのコミュニティサービス・環境・資源と生計支援による複数セクター支援)。内容は活動背景・課題と目標・活動対象となるグループ・対象地域の人口統計・セクター毎の活動概要(Implementation Arrangement)。その後居住地内のフィールドオフィスへ移動。本日はナチバレ難民居住地内の3つあるフィールドオフィスのうち、中間地点に位置するBase camp内のオフィスを訪問。凡そ40分、荒野をランドクルーザーで突き進む。Counterpart機関(要請元)である首相府Office of Prime Minister=”OPM”の担当者へ表敬訪問の予定であったが入れ違いで叶わず。その間に豪雨が居住地を襲いオフィスに閉じ込められた為、通りかかったブルンジ出身の難民(20年以上居住)と会話をする。将来、学校教師になるべく週末には学校に通っているとのこと。結局OPM担当者は戻らず5:30となり撤収。帰路、溜まった雨水により多くの乗用車が立ち往生する道を物ともせず突き抜けるトヨタランドクルーザーに脱帽。今後はバイクでこの荒野を往復することになるが、道中は舗装されてない道の為、要注意である。それにしてもアフリカは広い。見渡す限り何もない荒野が続く。この難民居住地の面積は185平方キロメートル。東京23区の3割ほどのサイズだ。これほどまで開発されてない土地があることに驚いてしまう。

尚、NSAMIZI-TICより正式な社員証となるID CARDを近日頂く予定である。これで名前を憶えて頂けるだろう。

残念な報告だが、難民居住地内の写真撮影は難しい。複雑な事情を抱えた難民もおり、許可を貰えない限りはしない方がいいだろう。

10/13(金)再び挨拶回り

f:id:yasushi-wonder:20171014173429j:plain

 AM:本日は9:30よりLivelihood TeamのMr. Obboを始めチームメンバーと共にフィールドオフィス(Base camp)へ移動。首相府のCommander、事務官への挨拶を済ます。その後、Mr. Obboは別フィールへ移動の為、チームメンバーと共に各IP機関を訪問。本日は居住難民へのIT技術を指導しているCommunity Technology Access=”CTA”、Micro creditを通じた居住難民への資金融資機関であるMOBAN SACCOsを訪問。前者ではPC利用を含む各種サービス(コピー、スキャン)に関する説明あり、PC教室を訪問したがまだ誰もいなかった。農民や学生は午前の日課を終えて午後から受講に来るという。後者ではManagerが筆者の前任者とも関係が深く、昨年実施されたネリカ米の収穫技術移転による生計向上プロジェクトの成果を把握しており、今回のチーム配属を歓迎頂いた。その後も難民居住地内を廻りCongolese Community(マーケットや身体障がい者の居住区)、CTA、MOBAN SACCOsの支援によりITサービス事業を開始した難民青年の商店を訪問した。尚、CTAの代表者はコンゴ出身の元難民であるとのこと。

PM:その後もチームメンバーと共に関係機関を訪問するが、金曜日はUNHCRを始め各パートナー機関も外出が多く、担当者を捕まえることは出来なかった。UNHCR担当者・Helenへの表敬訪問は本赴任後に持ち越しとなった。残念。尚、道中で難民申請者(Asylum seeker)向けの食糧配給所を通りかかる。配給時刻を待つ人はゆうに100人を数えるが、彼らは皆、居住地到着後1週間に満たず、皆難民登録を待っている。チームメンバーのMr.Okoth曰く、Asylum seekerと居住難民との食料配給は厳密に区別されており、教育、医療を初めとするコミュニティサービスも難民申請後、IDカードの受領まで受給資格を得られないとのことである。

2:30PMフィールドオフィスを離れ、プロジェクト事務所へ戻る。今回の訪問にかかる経理書類の取りまとめを行い、本日は終了。改めて、難民居住地の広大さ、多様性と複雑性を思い知らされる1日であった。尚、プロジェクトオフィスでは清掃人とスタッフによるBBQが行われており、賑やかな雰囲気で週末を迎えた。

余談として今日あった人物を紹介する。1人目は同僚のMr. Jean(コンゴ人)、Store keeperというエンジニア職員である。担当業務について聞き忘れたが、1996年まで住友商事・AAR難民を支援する会で働いたことから来日していたそうで、「お疲れ様です」「ビール飲めますか」「酔っ払い」と日本語も達者であった。

2人目はMr. Alex(コンゴ人)。居住地内で映画製作を行うNAKIVALE MOVIES COMPANYの映像プロデューサーである。映像作品の一部はYoutubeで視聴できるようだ。カジュアルに着こなした青年なので難民には見えない・・・。

f:id:yasushi-wonder:20171014173622j:plain

10/14(土)OFF

UNHCRのIPのフィールドオフィスは金曜日15時でクローズとなる。従って土曜・日曜は居住者コミュニティとの面談を除いて特別の用事がない限りは居住地を訪問することはないという。プロジェクトオフィスに入ると同じチームの職員が事務作業を行っていた。職員数は本事務所・フィールドオフィスを含めて総勢40名余り。各フィールドオフィスを拠点とする職員がおり、全員と挨拶するまではもう少し時間がかかるだろう。